元弘元年(1331)後醍醐天皇は政変に失敗し、笠置山に籠りました。その時、四国・徳島の武士、松浦朱雀という人が加勢に駆けつけましたが、時すでに遅く笠置山はおちた後でした。落胆した朱雀はこの地で住居を構え、氏神として恵美須を祀ったのが起源です。
社は鎌倉後期のものとされており、珍しい高床式となっています。また、拝殿の天井には舟みこしが吊るされています。このみこしは船に乗せて木津川の対岸にあったヱビス岩まで川を渡るという神事のなごりですが、昭和28年の水害で岩も流され、祭りはもう行われていません。
この近く、松浦朱雀の屋敷があったと言われる場所に、「朱雀の井戸(すじゃかのいど)」と呼ばれる珍しい六角井戸があります。
JR加茂駅下車 徒歩約25分
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